ちょっと怖い話~母からの警告~

ちょっと怖い話

宅配の仕事をしていた時の不思議な出来事です。

 

あの日の夜も、いつものように大量の荷物と格闘し

ていました。

19時を回った頃だったでしょうか。

とあるマンションの脇に車を止め、荷物を探して

いざ配達しようとして気づきました。

(これってどう考えてもマンションの裏やな)

ナビに導かれるまま車を進めると、エントランスで

はなく、マンションの裏手に連れて行かれることが

よくありました。

大きなマンションだったので、エントランスに行くに

は、車で戻らないと歩いていくには少々時間がかかり

ます。

仕方ないので車でマンションの入り口付近まで回ろう

とドアを開けた瞬間、

「〇ちゃん!!」

背中からはっきりと母の声が聞こえました。

心臓が止まるかと思うほどびっくりして後ろを振り

返りました。

「おかあさん?」

あまりにもはっきりと母の声で名前を呼ばれたので、

本気でいるはずのない母の姿を探しました。

その後もじっと耳を澄ませましたが、名前を呼ば

ことはありませんでした。

母に何かあったのかと思いすぐに電話しました。

「あら〇ちゃん、どないしたん?」

「今、車に乗ろうとしたらお母さんに名前呼ばれ

から…」

「フフフ(笑)何それ?いつも事故せんように心配

してるからちゃう?」

母は電話口で笑っていましたが、私はその時確信

しました。

誰かが私に事故に気をつけなさいと警告してる。

それが誰なのかはわかりません。

祖母なのか、ご先祖様なのか、はたまた霊的な何か

なのか、とにかく危険を知らせようと、今一番私の

近くにいる母の声で私の名前を呼んでくれた。

そう確信しました。

自分では気をつけて運転はしてたつもりですが、

そこからはより慎重に運転するようになりました。

帰りが遅くなっても仕方ない。

飛ばさないのはもちろん、一時停止、左右確認、意識

してしっかりするようになりました。

 

結局、私は宅配の仕事を辞めましたが、実はこの後

実際に事故に巻き込まれました。

この日の出来事がずっと心のどこかにあったので、

それが事故を引き寄せてしまったのか、大きな事故に

遭遇する前の虫の知らせなのか、宅配の仕事を辞める

一因になったのは間違いありません。

 

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